院長 青木 克明
当院では日曜検診を年に3回実施するなど被爆二世健診を重視してきています。昨年度の受診者は786名、広島市の12%で委託医療機関では第1位です。しかし、この5年間で受診者は20%減少しています。広島市全体では8663件から6567件、24%の減少です。
その原因は検診の内容が76年に制定された被爆者一般検診と同じく貧血と肝機能に限定されたお粗末なものだからです。医師の判断で精密検査が追加できるため、当院では全員に血糖、コレステロール、尿酸、35才以上に心電図をおこなっています。また40才以上の方には老人保健法による癌健診をおすすめしていますが、自己負担があるため、受けられる方は女性では肺癌31% 大腸癌19% 乳癌14%などに止まり男性はさらに低率です。
被爆二世が何人いるかは不明ですが、二世健診受診件数は全国集計されており、2002年度18,960件、2006年度17547件です。広島、長崎では減少していますが、その他の合計は増加しています。なかでも東京都は658件から963件に増加しているのが目立ちます。
東京都では独自にふたつの被爆二世援護策を行っています。ひとつは各種癌健診を被爆者と同様に無料で実施していることです。被爆二世癌健診の受診延べ数は06年度には2690件です。1人当たり2,8個の癌健診を受けていることになります。被爆二世も癌年齢に入ってきており無料で癌健診が受けられることが二世検診受診者増加の要因と考えられます。
もうひとつの援護は医療費自己負担分補助です。被爆者健康管理手当の対象となる11の疾患での治療に対して要件をみたせば支給されます。受給者は97年度が107人でしたが、05年度は345人に増加しています。
東京の被爆二世援護は1976年革新都政の高福祉によって実現し、年間7000万円の費用が必要とのことです。財政の豊富な東京都ならばの上乗せ保障かも知れませんが、全国の被爆二世にも東京並みの援護を実現したいものです。
被爆者が国を訴える裁判により原爆症認定制度、在外被爆者対応が改善されつつあります。次の課題は被爆二世への援護の拡大ではないでしょうか。


